NMNとは何か? 改めて確認してみよう

最近さまざまなところでNMNが話題にのぼってきています。
そこで、ここでは改めてNMNとは何か?を改めて確認していきたいと思います。

2021年になって日本の100歳以上の人口は8万6,000人を超え、30年後には約55万人にまで増えると言われています。
健康で自立した生活を送るためには、元気に年を重ねていくことが重要です。
そんな中、健康で元気な生活を送るために注目されてきているのがNMN(ニコチンアミドモノヌクレオチド)と呼ばれる物質です。

NMNって最近よく聞くけどどうなの?

どんなものなの?

どんな効果があるの?

などと思っていませんか?

NMNは薬ではなくサプリメント(健康食品)です。
国が栄養摂取量の基準として発表もしていません。
しかし今、NMNは世界中の研究者が多くの論文で、私たちが思った以上に科学的な裏付けを発表しています。
NMNは現在、非常に注目を集めている成分なのです。

これからの本格的な「人生100年時代」を前にして、抗老化に関する研究が注目を集めています。
その中でもっとも注目度が高いのがNMNなのです。

NMNは加齢による機能低下や、疾病の予防、改善効果などがマウスによる研究で報告されている抗老化成分です。
ここでは改めてNMNについて解説していきます。

NMN(ニコチンアミドモノヌクレオチド)

最先端の若返り成分として注目されているNMNは、正式名称を「ニコチンアミドモノヌクレオチド」と言います。
簡単に言うと水溶性ビタミンB3に含まれる物質です。

食品では枝豆、ブロッコリー、アボカドなどに多く含まれています。
そうするとブロッコリーをたくさん取れば良いのでは?と思いますが、ブロッコリーの場合、1日100mgのNMNを摂取しようとすると約40kgほどの量が必要になります。
つまり普段の食生活では、ほぼ摂取しきれない量になってしまいます。

NMNはあらゆる生物の細胞にもともと存在しています。
ビタミンに似た物質で、体の中で自然に作られるものです。
ところが加齢に伴い体内での生産量が減ってしまい、NMNが体内に少なくなると加齢が始まり、身体機能や認知機能の低下が起きて老化が進むと考えられています。

NMNが世界的に注目を集める発端となったのは、ワシントン大学医学部の今井教授です。
糖尿病の研究の過程で発見されたとされているようです。
マウスを対象とした実験では、NMNを摂取すると体内にあるNADという物質が増え、老化を防ぐサーチュイン遺伝子が活性化されることが報告されています。

人間にはNADという物質を作る能力がありますが、それが年齢を重ねると減少していきます。
その結果、老化現象が引き起こされます。
NADの年齢による量は、50代後半では20代のおよそ半分と言われています。

それではNADとは一体どのようなものなのでしょうか。

遺伝子を活性化させるNAD

体内で加齢によって減少する生体内物質がNAD(NAD+)です。
NMNを摂取すると体内でNADへと変換されることで、サーチュイン遺伝子と呼ばれる遺伝子を活性化させる作用があります。
NMNは細胞内でNADに変換され、2種類の方法で利用されます。

① 長寿遺伝子「サーチュイン」の活性化(酵素の基質)
② エネルギーを作る(酸化酵素の補酵素)

それではこの2つについて詳しく見ていきましょう。

① 長寿遺伝子「サーチュイン」の活性化

NADはサーチュインに結合して活性化します。
サーチュインの脱アセチル化反応にNADを使います。
人とマウスはサーチュイン遺伝子を7種類持っており、NADはこの7種類すべてのサーチュインを活性化します。

サーチュイン遺伝子には大きく分けて4種類の機能があります。

① エピゲノムのコントロール(DNA修復)
② エネルギー代謝のコントロール
③ 細胞分裂のコントロール
④ 時計遺伝子の活性を制御など

ではサーチュイン遺伝子とは一体なんなのでしょうか。

「長寿遺伝子」サーチュイン遺伝子

サーチュイン遺伝子は細菌から哺乳類まで多くの生物に幅広く存在するタンパク質の一種で、「長寿遺伝子」や「若返り遺伝子」とも呼ばれています。
簡単に言うとサーチュイン遺伝子を活性化させることができれば、細胞内のエネルギー源を作り出すミトコンドリアが増え、細胞中の異常なタンパク質や古くなったミトコンドリアが消され、新しく生まれ変わる作用が働きます。

つまりサーチュイン遺伝子は、活性化することで老化を抑制する効果が期待できます。
ただし、この遺伝子は通常眠ったままの状態です。
この眠ったままの遺伝子を活性化させるスイッチになるのが「NAD」という成分で、この成分は人体の代謝の源でもあります。

ただし、NADは加齢とともに減少するため年齢を重ねるごとにサーチュイン遺伝子は目覚めにくくなり、結果として老化が進んでいきます。
NADは外部から摂取することができないので、NADを直接増やす事はできません。
NMNはこのNADに体内で変換されるため、NMNを取り入れることで体内のNADを増やしてサーチュイン遺伝子を活性化させることができます。

② エネルギーを作る(酸化還元の補酵素)

もう一つのNADの作用として注目されるのは、エネルギーを作るという酸化還元の補酵素としての作用です。
NADはミトコンドリアでエネルギーを作るときの電子供与体(ATP)になります。
全ての動物、植物、菌、ほとんどの古細菌と細菌がNADを利用しATPを作っています。
電子供与体は全ての生き物が生きるためのエネルギーで、NADはATPを作るために必須の補酵素であり、NADがなくなると生き物は死んでしまいます。
つまりNADは人間が生きて行くために必須のエネルギー源になっているのです。

以上がNMNとNADの仕組みですが、実際には人に対して効果は期待できるのでしょうか?
そこで、NMNは実際に人に対してどのような効果があるのかを見ていきましょう。

NMNの人に対する効果の検証

この数年、NMNに関して期待されていたのは、人に対する効果が実際にあるのかどうかの検証です。
2021年4月22日、アメリカワシントン大学医学部(ミズーリ州セントルイス)の研究チームによる、「世界初のNMN臨床試験に関する成果論文」が、アメリカの有名な学術誌「Scicence」のオンライン版に掲載され話題になりました。

この臨床試験を実施したのは、ワシントン大学医学部門・人間栄養センター長のサミュエル・クライン教授と同大学医学部発生生物学部門・医学部門の今井眞一郎教授による研究チームです。
臨床試験の概要は以下です。

糖尿病予備軍で肥満、閉経後の女性25人(55歳〜75歳)を無作為に2つの群に分けた上で、13人は1日250mgのNMN、12人はプラセボ(偽薬)を10週間経口摂取しました。
その結果、NMN摂取をしたグループの骨格筋(筋肉)で、血糖値を下げるホルモンのインスリン感受性が平均25%上がり、2型糖尿病やその予備軍で低下する糖の取り込み機能が改善したとのこと。

今井教授は「25%のインスリン感受性が上がったというのは、10%体重を落とした時に生じる改善に匹敵する。またNMN摂取のグループで筋肉の再構築の機能が高まるというのは、マウスによる研究でもわかっていなかったことで私たちも驚いた」と語っています。

NMNの主な効果

それでは、NMNを摂取することでどのようなことが期待できるのでしょうか。

  • 若々しさがよみがえる
  • 体力がよみがえる
  • 熟睡できる
  • エストロゲンの上昇
  • 運動中の呼吸が楽になる
  • 肌のキメが細かくなる
  • ミトコンドリアの活性化
  • 頭がスッキリする
  • 思考や集中力が高まる
  • 代謝が上がる

以上の効果が期待できると言われていますが、まだまだ臨床研究で増えてくるのではないかと言われています。

NMNはサプリメントとして飲むのが一般的と考えられていますが、点滴療法でも利用されています。
そこで点滴を受けた方たちの一般的な感想は、

  • しみ、しわが薄くなり、肌の若返りを実感した
  • 肌がツルツルになった
  • ぐっすり寝ることができ、朝の目覚めもバッチリ
  • 身体の動きが良くなり、体力に自信が持てるようになった
  • 集中力が高まり、仕事の効率アップに繋がった
  • 目のかすみが取れ、はっきりと見えるようになった
  • 体重が少し減ってきた
  • 手荒れがなくなったり、ツヤツヤになった

などのようです。

今後、数十年経過した時にNMNを飲んでいた人と飲んでいない人で、どれくらいの違いが出てくるのかは時が経たなければわかりません。
今、NMNサプリメントを飲むか飲まないかはあなた次第です。

将来、NMNによって若さを保ち健康で長生きできる可能性があるとしたら、私は飲んでおこうと思います。
まだまだNMNサプリメントは高価格帯のものがほとんどですが、さらに価格が下がり選択肢が増えて、みんなNMNを飲むのが当たり前になる未来になっているかもしれませんね。